大雨で溝ができた園庭の補修をしようと、砂場からあふれた土砂を、一輪車で運んでいると、子ども達がすぐにやって来て「手伝ってあげるよ」と、私のスコップを取り上げ、一輪車をヨタヨタしながら押す。私は黙って見ているしかない。やりたがりがドンドン集まり、大人用のスコップが足りないと、砂場のスコップ、トロッコ、二輪車まで動員して溝があっという間に埋まった。
しかし、園庭に張ったロープも一緒に埋まって、見えなくなってしまった。ロープを張り直そうと、ロープを押さえていたクイを抜こうとしたが、ビクともしない。また、子ども達が集まってきて、「掘ればいいよ」と言う。「掘るのは大変だから、バールを取ってくるよ」と、私がバールを探しに行った。戻ると、彼らは固い地面を掘ってクイを引き抜いて「ホラ、もう掘って抜いたよ」とクイを手にニコニコして誇らしげ。
ロープを前のところから少しずつずらして、クイで止めようと、クイをバールで打ち込もうと、何度か試みた。地面が固くてなかなか入らない。すると子ども達が、「大きなハンマーじゃないとだめだよ」と言った。ハンマーを取って来て、クイを打うとうとすると「僕がやる」と、言い争い始めた。「手を打ったら、ケガしちゃうから、子どもには無理だよ」と説得したが、「大丈夫、大丈夫!」と、言うことを聞かない。恐る恐るハンマーを渡すと、交代で慎重に打つが、なかなか入らない。しかし、少しずつ、打つコツをつかむと、強く打てるようになり、クイが入っていった。「ハンマーじゃないとだめだったでしょ。」「ハンマーで打つの、僕、上手でしょ!」と自慢気。自尊感情プンプン。
「結構やるでしょう」「すごいと思う?」と聞く。「君たちはすごい、やれば何でもできちゃうんだね」と言うと「お仕事ある時はいつでも言って」とお仕事(遊びか?)の道具を片付け、遊び(お仕事)を始めた。子どもはいつも、主体的で、意欲的だ。そして、自信家だ。
ちなみに、モンテッソーリでは、子どもの活動(遊び)は、全てお仕事と言っている。