あいさつ : コミュニケーション能力

(2021.11.01)

私の友人に、中学しか出てないのに、大成功した友人がいる。彼は「人生で成功するには、健康で、きちんと挨拶ができることだ」と言う。それなら「ふたばっ子」はみんな人生の成功者になれる。ふたばっ子は、みんな元気で健康である。そして、挨拶が素晴らしい。私が園に行くと、「おはようございます」の声が降り注ぐ。我先に飛びついてくる。両足にしがみついて、親愛の情を示してくれる。わざわざ駆け寄って来て、直立不動の姿勢で「おはようございます」と、頭を下げる子もいる。

初めから挨拶ができる子は多くない。決して強制したりはしないが、先生方が率先して園全体で挨拶をする雰囲気と、習慣が出来ているので、誰もが挨拶するようになる。朝の体操の時などに、園長先生のアフリカ探検の話をする。「ジャングルで、やりを持ったアフリカ人に出会った時に、ジャンボ!と挨拶されたのに、ジャンボ!と挨拶をしないと敵だ!と思われて、ヤリで刺されてしまう。だから、ふたばの仲間は勿論、行きかう人はみんな仲間ですと、あいさつしよう。ちゃんと挨拶しているのに、知らぬふりで挨拶してもらえなかったら、悲しいでしょ?寂しいよね」と言うと心から納得してくれる。けんかしても、お帰りの時には、「さよなら、また明日ね」そして、翌日には「おはよう」とあいさつしようね、と話します。そして、あいさつには「ゴメンね」「ありがとう」という言葉もあることを付け加える。

企業が、採用で一番重視しているのが、コミュニケーション能力(人と関わる力)だそうだ。どんな仕事も、人と強調・協力できなければ成功しない。コミュニケーションの第一が「あいさつ」である。あいさつで心が通じ合う。「いじめ」は、仲間外れにすること、一人を無視すること、口をきいてくれない。一人で孤立することほど辛いことはない。それでも「あいさつ」することで、人は繋がっていく。同じように、夫婦ゲンカをすると、口をきかなくなる。口をきかないのは辛いこと、ケンカをしていても「あいさつ」だけはしよう。そこから関係が修復され、仲直りができる。

力の弱い人類・ホモサピエンスは、コミュニケーション能力を持ったことで、太古の時代から生き残り、言葉を獲得し、発達してきた。スマホや、ITの発達の中で、コミュニケーションが薄くなってきている。その上、コロナ禍である。元来、子ども達は、群れて、絡まり合って、相手の表情を読みとり、人間関係の能力を発達させてきた。ケンカした相手の悲し気な表情に、心を動かせて仲直りしたり、一緒に大きな砂山を作り、崩れないトンネルを掘り、喜びを共有し、達成感をさらにふくらませたりしてきた。一気に深まった秋の中で、子ども同士がいっぱい関わりながら、思い切り遊ばせたい。