楽しむに如かず

(2022.01.06)

子ども達は遊びの中で、人生で大切なことのほとんどを学ぶ。人と共感し、協調、協力する人間関係、想像し、思考し、工夫すること、我慢すること、忍耐力。意図したり、教えられたり、指示されたりしてやっているのではなく、遊びの中で、自然に、当然のこととしてやっている。

いつも感動させられるのは、その忍耐力、我慢強さである。手にできた豆がつぶれ、皮がはがれ、血が滲んだハンカチを手に巻いて、鉄棒や雲梯に挑み続ける。成功した時の誇らしげ気な顔、「僕はすごい」という自尊感情、「私はできる」という有能感、意欲、やる気も育つ。山小屋の滑走面に、何度も跳ね返され、ズルズルと滑り落ちてもあきらめない。顔を真っ赤にして、挑戦し続ける。夏の炎天下の砂場でのダム作り。自分の体より重そうなバケツを両手に、焼け付く園庭を裸足で、汗だくになり、水道と砂場を往復。砂に沈み込む水。それでも諦めない。この根性はどこから来るのか。

元々、子どもは意欲的で、忍耐強く、何でもやりたがり屋である。他から見れば、苦しく辛いことと思われることでも、やりたければ、興味があれば、楽しいからやっているだけである。興味、関心がある、やりたいと思うことは、120%以上の力を発揮する。興味がない、やりたくないことだと60%以下の力しか発揮しない。これは、当たり前のことだが気付かない。

勉強でも、仕事でも、やらされているうちは、効果は上がらない。興味がある、面白い、となると効率が上がる。勉強でも、子どもが興味・関心を持ち、やりたくなるような動機付け、環境作りが大切である。これからの進路についても、今流行している、注目され、良さそうというより、自分がやりたいこと、興味・関心があることに熱中することが、人生を豊かにし、楽しくする。打ち込めるもの、夢中になれるものがあれば人生は輝く。

「知之不如好者 好之者不如楽之者」

これを知る者は これを好む者にしかず、
これを好む者は これを楽しむ者にしかず(論語)