園〇虐待

(2023.1.07)

R先生が配信した動物園での私とチンパンジーとの交流の動画が、大反響だったようです。チンパンジー語(?)で呼びかけると、寝そべっていたチンパンジーが一斉に立ち上がり、ボスは一番高いところに駆け上がります。興奮し体を揺さぶり、手を振ると、振り返します。チンパンジーばかりでなく、子ども達も私の姿を見ると、興奮します。取り囲まれ、ぐちゃぐちゃにされている様子を「園長虐待」として、動画配信しようと、言い出しました。この話を家に帰って話したら、「あなたは、チンパンジーと子どもと同じだから、通じ合うのよ」と・・・。私は「そうかな?」と思いながら、妙に納得していました。

子ども達は私を見つけると、満面の笑みを浮かべて突進してきます。四方八方から、攻撃してきます。前の子に対応していると、後ろから服を引っ張ります。セーターなんか着て行ったら、一日でボロボロになってしまいます。ですから、他の園長先生のように、背広にネクタイなんてとんでないのです。いつも、汚れても良いトレーニングウエアです。多勢に無勢なので、逃げるしかありません。逃げると、どういうわけか、追手がどんどん増えるので、すぐに捕らえられ、前からパンチ、後ろから服を引っ張られます。反撃に出て、お尻のところを持ち上げ、グルグル回しをすると、必ず、「やって、やって」と囲まれます。仕方がなく、一列に並んで、と言うと、長蛇の列になります。疲れてヘロヘロの状態になって、せめて後ろからの攻撃を避けるため、壁を背にして椅子に逃げると、両ヒザに2~3人、両脇に数人、頭の上にも登ってきます。でも、とても幸せです。

11月には、今まで言われたことがない事を、3人の子に言われました。「園長先生、大好き!」と言うのが定番ですが、なんと、私の顔をいじり回し「かわいい」と言うのです。もうすぐ80歳になるジイさんを、です。Rちゃんは、抱き着いて、私の胸に顔をうずめ、ヒゲをさすりながら、「いい匂い、かわいい」と言いました。ジイさんがいい匂いのはずはありません。いつも鼻をたらしているK君。私の首に手を回し、熱烈なハナクソキッスを、ベチョーと私の頬にして、「かわいい」と言いました。私は「ウェー汚ねー」と思いましたが、「オイオイ、鼻をかんでからにしてよ」と言うと、私の頬にベットリついたハナクソを「ゴメン、ゴメン」と、更にこすりました。

子ども達は、褒められることで、自己肯定感をアップさせ、意欲的になります。おこられてばかりいれば、萎縮し退行します。「大好き」「すごいね」「かっこいい」「名人」「上手だね」「頑張っているね」・・・そして「かわいい」と言われることが、心地よく、認められていると感じるのでしょう。私を「かわいい」と言うのは「大好きだよ」以上の承認なのでしょう。これからも、いっぱい誉めようと思います。子ども達に、もみくちゃにされながら、こんな幸せな園長は、いないのではないかと、晩秋の青空を見上げました。