「我慢、自己コントロール」

(2026.3.1)

 園に着くと、すぐにF君が駆け寄って来て、「今日、一緒に給食食べよう」と言った。私の手を離さず、「絶対だよ!」と何度も念を押した。すると、私とF君が一緒にいるのを目ざとく見つけたN君がやって来て、「先生、オレと一緒に給食食べよう」と横ヤリを入れて来た。それを聞いていた、F君と同じクラスのT君が「Nは、いつも園長先生を連れて行ってしまうじゃないか、いつも、いつも、ずるいぞ!」と割って入って来た。すると、N君が、うるさいとT君にパンチとケリをした。周りの子たちも「Nは悪い」と参戦。大バトルとなる。頃合いを見て、レフリーストップ。「殴ったり、蹴ったりは反則、暴力は弱い奴のやること。きちんと話し合うのが、強い子のやること」と一旦、止めにかかる。それでもN君はまだ、殴ったり蹴ったり、暴れた。私は、N君を強く抱き止め、落ち着かせた。「Nは先生と一緒に給食食べたいんだよね。そう思ってくれてありがとう。でも、この前はTが先生と先に約束していたのにNが『オレと一緒に食べよう!』と言い出し、「Tが『じゃ、いいよ』と譲ってくれたじゃないか。Nが園長ゴリラ先生が大好きと思ってくれてうれしい。先生もNが大好きだよ。だから、Nがみんなから、Nは悪い奴だと言われるのは嫌だ。お友達みんなと仲良くやって欲しい。」と言うと、いつもは人の言うことを聞かず暴れていたが黙って、下を向いた。「Nはもうすぐ一年生だ。最近とてもしっかりして、先生の話しを聞けるようになった。これなら一年生になっても大丈夫だ。じゃ、TとFのところに行って、殴ったり、蹴ったりしたことを謝ろう。そして『今日はTとFのクラスで、園長ゴリラと食べて』と言ってあげて」と言うと、まだ少し口を尖らせていたが、ガマンしてちゃんと譲ることができた。「Nは謝ることができた。自分をガマンして譲ることができた。すばらしい!」とハグすると、少しテレくさそうにして、みんなの方に走って行った。私もうれしくなった。

 人は人との間でしか人間になれない。人と関わりながら自分をつくる。人が一番大切なことは、コミュニケーション能力である。人を思いやることができること、人と関わる力が人生を豊かにする。子ども達は人とぶつかり合い、助けあい、一緒に遊ぶ中で、人としての生き方を学ぶ。前記したようなことは毎日あることである。それを丁寧に教導していくことで、人格の基礎が作られていく。

 スタンフォード大学の「マシュマロテスト」が話題になったことがある。我慢することは、自己コントロールができることであり、生きていくうえで、最も大切なことである。子どもが、ひっくり返ってダダをこねたり、我ママを言って大泣きすることがあるが、そんな時こそ成長のチャンス。頭から抑え込んだりせず、子どもの今ある状況を理解し、どうして、そうなっているか考え、どうしたらよいか、なって欲しい姿を伝え、きみはそれができると励ましてあげることが大切である。※スタンフォードのマシュマロテストは、ホームページの理事長の話し、2015年5月をお読み下さい。