
運動会に来た卒園児が「幼稚園はいいな。おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、家族みんなが来て、楽しそうに踊ったり、走ったり、そして、お昼にみんな丸くなって、家族が全員一緒にお弁当を食べて・・・小学校では、お昼前に、サッと終わってしまう」と寂しそうに、羨ましそうに言っていた。
コロナ以降、生活が大きく変化した。結婚式も葬式も家族だけで済ますようになり、豪華な結婚式場が軒並み姿を消し、葬儀場も家族葬の小さな葬儀場に代わった。働き方もリモートが増えた。そして、人々が集う、コミュニケーションも薄くなった。子ども達の遊びも電子化され、ゲームを画面の中で楽しむばかりで、孤立している。人として、大切な人との関わり、コミュニケーション能力が育たなくなる。人は人との関わりの中で人間となる。人は人と関わってしか生きられない。人との関わりの中で自分をつくり、人格、自我が育ち、社会的な人間として成長する。
保育園、幼稚園でも、こども園でも小学校と同様に、午前中で終わる運動会が多くなっている。中には、子ども達だけで平日に行っているところもある。コロナが「五類感染症」になって、二年以上が経つのに、コロナ前の運動会がなくなっている。運動会は、”日本の文化”でもあった。地域社会と家族が一体となって、大人も子どもも、みんなが笑い合って、にぎやかに、なごやかに楽しい時間や笑い顔になれる場であった。
二、三歳児のかけっこは、競いあっているより、みんなで走ることを楽しんでいる。ドンの合図を聞かずに走り出したり、友達が走るのを待ってから走ったり、先頭を走っていた子が、急にゆっくり走り、友達を待って一緒に走ったりしている。遊戯(踊り)もみんなで踊ることを楽しんでいる。他の年令の子の踊りに他の年令の子が一緒に踊っている。ふたばの運動会では、保護者も一緒に盆踊りのように、全員で一緒に踊る。お弁当を食べる時の輪も二~三家族が一緒になっていたり、実に楽しそうだった。運動会は、子ども達が主体的に経験を積み、仲間(友達)と家族が一体となって作り上げるコミュニティだ。
追伸。イマジネーションの後編はまた延期
